サッカー親善試合:日本、ホンジュラスを5−4で降す


サッカーの国際親善試合「キリンチャレンジカップ2005」は7日、宮城スタジアムで行われ、日本がホンジュラスを5−4の逆転で降した。ジーコ監督が指揮して以後、日本代表が中南米チームに勝ったのは初めて(通算1勝4分け6敗)。ワールドカップ(W杯)ドイツ大会のアジア最終予選終了後、来年の本大会に向けた強化試合の第1戦で、ジーコ監督は欧州でプレーする6選手を呼び寄せて臨んだが、攻守とも連係に課題を残した。

 ○日本5−4ホンジュラス

ホンジュラスの早いパスワークと厳しい守りに押され、前半はミスが多発して2点の先行を許した日本が、後半に立て直して4得点を重ねて逆転勝ち。日本は後半10分、中村がPKを決めて1点差とすると、25分には柳沢がこの日2点目。33分には中村の縦パスで三都主が左サイドを抜け出し、中央に飛び込んだ小笠原がゴール。ようやく日本らしいつなぎで勝ち越した。前半の組み立て方に課題は残したが、最後まであきらめない強い気持ちは収穫となった。

 ▽日本・ジーコ監督 この点差をひっくり返したことを、皆さんには評価してもらいたい。気持ちの強さがあれば、苦しい状況もはね返せるものだ。

 ▽日本サッカー協会川淵三郎会長 ホンジュラスは強いチームだった。守りをどうしたらいいのか徹底的に教えてくれた。後半取り返して勝ったことは評価したい。まだまだ勉強することは山ほどある。

 ◇歴代2番目の大量得点と、最多タイの失点

この結果をどうみるか。ジーコジャパンとしては歴代2番目の大量得点と、最多タイの失点。勝つには勝ったが、ゲーム運びとしては決して満足できない内容だ。

4・4・2。欧州組中心のときに頻繁に採用するシステムだが、この日は守備が破たんした。

「メンバーを見て予想した通り、点の取り合いになった」と語るのは、ホンジュラスのデラパス監督。4バックの両サイド、加地と三都主の攻撃的姿勢を熟知し、徹底的に両サイドを狙った。

前半8分、27分は右サイドの三都主の裏、後半5分は左サイドの加地の裏を突いたもの。「試合を盛り上げようとしたのかもしれないが、もっと防御に意識を払ったほうがいいのでは」と、日本には耳の痛い忠告も飛び出した。

失点の原因は、パスの出どころにもある。コンフェデ杯ボランチを担った福西、中田英が比較的防御に気を払うのに対し、この日の稲本、中田浩は前線への意識が強かった。後半19分に稲本に代わり小笠原を投入。中田英ボランチに下がって対応するようになって以後、同点、逆転ゴールが生まれた。

ジーコ監督は「この布陣は久々だし、海外組の体調も万全ではなく、ありえないミスもあった」と弁解するが、2日前に来日したばかりの相手をホームに迎え、一時は2点のリードを奪われた事態は見過ごせない。「世界を驚かす」などという言葉は口にできない。

 ○…日本の1点目は、昨年3月31日のシンガポール戦以来の代表でのゴールとなった高原。「きょうはゴールを奪いたいという気持ちがあった」と喜んだ。稲本のシュートが相手のDFに当たり、ゴール前に転がったボールを相手と競り合いながら押し込むFWらしいシュート。「落ち着いて決めることができた」とドイツでの成長の跡をうかがわせた。

 ○…日本は柳沢が2得点を挙げた。後半3分に中村のFKに頭で合わせると、後半25分にはドリブルでの切り返しから右足で同点ゴールを決めた。その直前、玉田(柏)が柳沢と交代する準備を終え、第4の審判に伴われてハーフラインに立っていた。プレーが途切れた瞬間、交代が命じられるはずだったが、“ラストプレー”で決め、直後に満場の拍手に迎えられてピッチを去った。

 ○…03年6月のアルゼンチン戦以来の4失点に主将の宮本は「理想を求めすぎた」と渋い表情を見せた。ラインを高く保とうとしたが、技術の高い相手に対しカバーリングに精度を欠き、「後半は現実版にして、後ろでの守備に切り替えた」という。中でもサイドからクロスを上げられて簡単にゴールを許した1点目と4点目の失点を反省。「(サイドで)勝てるだろうというので中の守備が遅れた。対応の混乱を修正しないと」と反省の言葉は尽きなかった。

 ○…PKによる自身の1ゴールに加えて、得意のFKで柳沢のゴールをアシストした中村は「足元は技術が高いけど、高いボールは対処できていなかった」と狙い通り。スコットランドセルティックに移籍し、心身ともに充実している背番号10は、この日も中田英との連係を一つ一つ確かめるように攻撃を引っ張った。「プラスは精神面。今までにこういうことはなかった」と劣勢の中で逆転したチームへの手応えを語った。

 ○…中田英は「見ての通り。こんなに点を取られたのは気持ちよくない。それ以上に5点取って盛り返したのは自信になるし、よかったと思う」と総括した。前半、ホンジュラスにパスを回されているのを見て、途中からやや下がり目に位置して守備を立て直した。その中田英が率直に反省したのが自らのパスミスがきっかけとなった前半ロスタイムの失点で「普段、前でしているプレーを同じように後ろでやってしまった。僕のミス」。W杯へ向けた課題を「挙げたらきりがない。そこはジーコに任せる」と淡々と話した。

立ち上がりはその不安が的中した日本だが、すでに欧州で新シーズンをスタートさせている中村は攻守にわたってさえたプレーを見せた。後半10分にはPKを決めて得点も記録。GKの逆を完全にとる技ありのシュートで、存在感は際立っていた。

 ○…川口能(磐田)の故障で出番がまわってきた楢崎だったが、よもやの大量失点。試合前には「今後こういうチャンスがあるかどうか。いいアピールをしたい」と意気込んでいたが、「中南米に苦手意識はないが、プレスがかからず、うまくかわされると怖い」と懸念していた展開になってしまった。

結果的には勝ったからいいのかもしれないけど、試合内容としては最低でしたね…
やはり集中力の持続が出来てないからこその大量失点だと俺は思います…
俺としては、本大会を見据えてのメンバーだけでなく、Jもしくは他に海外で頑張ってるいろんな選手にチャンスを与えてみるのがいいんじゃないかと思いますね…
(´・ω・`)