高校野球:駒大苫小牧が夏連覇、57年ぶり史上6校目


第87回全国高校野球選手権大会(日本高校野球連盟、朝日新聞社主催)の優勝戦は20日、阪神甲子園球場兵庫県西宮市)で行われ、駒大苫小牧南北海道)が京都外大西(京都)を5−3で破り、2年連続2回目の優勝を果たした。夏の大会連覇は、1947、48年の小倉中(48年は学制変更で小倉高)以来57年ぶり6校目。3年連続5回目出場の駒大苫小牧は、連覇への期待という周囲の重圧の中、強力な投手陣と準決勝まで無失策の堅い守り、勝負強さで偉業を成し遂げた。

京都外大西は春夏通じて初めて優勝戦に進出し、京都勢としては98年の京都成章以来の準優勝。今夏限りで京都外大西の監督を勇退する三原新二郎監督(65)は、広陵(広島)監督時代の67年に次いで2回目の優勝戦だったが、再び準優勝に終わった。

閉会式で脇村春夫・日本高野連会長は「例年になく後半に追い上げる試合が続き、あきらめない姿勢が見てとれた」と選手の健闘をたたえた。

 【駒大苫小牧】1964年創立の私立校で、野球部も同時に創部。今回で春夏通算7回の甲子園出場を果たし、昨夏は4割4分8厘の大会最高打率で初優勝。アイスホッケー部は高校総体で通算23回の優勝を誇る。卒業生にスピードスケートの五輪銅メダリストで、参院議員の橋本聖子氏ら。北海道苫小牧市美園町。

 ▽駒大苫小牧香田誉士史監督 前半はバントミスで好機をつぶしたが、松橋と田中がよく投げてくれた。選手に感謝です。連覇の要因? 分からない。何も分からない。

 ▽京都外大西三原新二郎監督 一度はリードされながら、選手はよく追いついた。(七回裏無死一塁で決められた)林君のバント(安打)がポイントだった。

 ◇駒大苫小牧の選手はのびのびプレーしていた

小倉中・高時代にエースとして2連覇を達成(1948年)した福嶋一雄日本野球連盟九州地区連盟理事長(73)は「1度目はあれっという間に優勝できても、2度目は非常に難しい。全国のチームからマークされるし、プレッシャーもある。でも駒大苫小牧の選手はのびのびとプレーしていた。私の時は皆ちょっと硬くなっていた。とにかくよく頑張った。ご苦労さま」と話した。

 ▽優勝戦

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京都外大西 (京都) 100000200=3

駒大苫小牧南北海道)10001120X=5

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総合力でわずかに上回った駒大苫小牧が粘る京都外大西を振り切った。

同点にされた直後の七回、しぶとくつなぐ打撃を見せた。四球の田中と三塁線に絶妙のバント安打を決めた林を犠打で送って1死二、三塁とし、辻の二ゴロで田中が還って勝ち越し。さらに2死一、三塁から岡山の遊撃内野安打で2点差とした。投げては先発・松橋を五回途中から救援した田中が力投。七回に味方の失策が絡んで2失点したが、勝ち越し後は力のある球を低めに配して立ち直り、九回は3者連続三振で締めくくった。

京都外大西は一回、林と寺本の連続短長打に敵失を絡めて先制。七回は五十川の適時二塁打などで追いついた。だが、6試合連続のロングリリーフとなった本田が終盤、わずかに制球が甘くなって捕まった。2失策がいずれも失点に結びつき、中盤の好機ではボール球に手を出して流れをつかみ切れなかったのも痛かった。

 〇…駒大苫小牧・青地が適時打を含む2安打を放った。六回2死一、三塁からの適時打はうまくおっつけて右前へ運び、「変化球にも対応できるように右方向を意識していた」と狙い通りの一打を振り返った。五回にも左前打を放ち、2点目のホームを踏んだ。外野手のリーダーとして堅守で連覇に貢献できたことにも満足し、「すごいことをやった。これで先輩に肩を並べられる」と声を弾ませた。

 ○…駒大苫小牧の先発・松橋は五回途中、1失点で降板。「納得できる内容じゃなかった。もっと投げたかった」とエースのプライドをのぞかせた。一回に失策絡みで先制を許し、さらに1死三塁のピンチが続いたが、4番・西下を147キロの高め速球で空振り三振。相手へ傾いた流れを引き戻し、その後も粘りの投球を見せた。「明日も試合がある感じ」と連覇の実感は沸かないよう。今後、国体出場を残すとはいえ、「もうこの仲間と野球ができないのは悔しい」とポツリ。うつむく姿には、喜びと共に寂しさを感じさせた。

 〇…駒大苫小牧の決勝点は、辻のバットから生まれた。同点の七回1死二、三塁。直球をたたきつけた打球は高いバウンドの二ゴロとなり、三塁走者を迎え入れた。「内野フライにしては駄目。たたきつければ何とかなると思った」。初戦の2回戦は2番だったが、好調さを買われて3番に。打率5割2分6厘、チーム最多の11打点を挙げた大会を、「気持ちがすごく充実していた。みんなが乗せてくれた」と振り返った。

 ○…猛然と前進する一塁手の前に、勢いを殺した打球をそろりと転がした。七回無死一、二塁で勝ち越しにつながる送りバントを決めた駒大苫小牧の五十嵐。「ファウルになってもいいから、一塁線沿いを狙った。他人よりも1時間多くバント練習を重ね、自信はあった」と白い歯を見せた。林主将とともに前回優勝時のレギュラー。ただ、「去年は先輩に連れられて、そこにいただけ。今年のうれしさは格別」と喜びはひとしお。一回にも同点に結びつく犠打を決めたつなぎ役が、連覇を支えた。

 ○…京都外大西の籔内が、2四死球を記録。6試合で10四死球となり、1大会の個人最多記録に並んだ。目を引いたのが6死球で、宇部商との準決勝では三つ記録した。「8番なので、何でもいいから塁に出て上位につなぎたかった」。京都大会では7試合でわずか1安打。打率5分6厘とさえなかったが、2回戦の関西戦で3安打を放つなど活躍。「甲子園でこんなに勝ち上がれると思わなかった。満足しています」。涙はなかった。

 ○…「駒大苫小牧とはほんのちょっとの力の差だった」と京都外大西・高原。甲子園ではリードオフマンとしてチームを引っ張り、この日も七回、先頭打者として反撃ののろしとなる左翼線二塁打を放って、2点目のホームを踏んだ。今夏の京都大会から1番に定着した。今までは走者がいると打てなかったと言うが、甲子園で試合を重ねることで「走者がいても打てるようになった。6試合は楽しかった」。笑顔に充実感があふれた。

 ○…京都外大西の寺本は準決勝までの打率が4割8分とレギュラーで最高。この日も一回、内角直球を捕らえて先制点につながる中堅左への二塁打を放ったが、その後は駒大苫小牧の松橋、田中に徹底的にマークされ、得意の内角球が来なかった。「おかしいな、と思った。その中で甘い球を逃さず、打たなければと思ったのが、逆に焦りにつながった」。九回は空振り三振に倒れて最後の打者になった。「田中君の気持ちに負けた。悔いはないです」と相手をたたえた。

いやー、途中からですが中継を見てたんですけど、凄かったですね☆
今年の駒大苫小牧は勢いと粘りがありましたね。今日の決勝も、昨日の大阪桐蔭との対決に勝利した勢いそのままって感じでしたね!!
夏の連覇は57年ぶりだそうなので、それまた快挙ですよね。おめでとうございます♪
(^▽^)